歯周病菌
急に寒くなってきました。秋らしく、私は好きな季節です。
ただ、急に寒くなったりすると、痛みが出てしまう方が多くなりやすいので、
それはとても心配です。
さて、最近、妊婦健診で来院される方が多く、ふと以前に受けた講習会の内容を思い出したのです少し調べておりました。
2019/12/8に受けた西田亙先生(内科)の講演会から。
歯周病菌のうち、フソバクテリウム(Fusobacterium nucleatum)という種類の菌があります。
歯周病の病原性としてはそれほど強い歯周病菌とは言われてはおりません。
しかし、前身にわたって影響を及ぼす可能性があるようです。
体調をひどく崩した、出産予定日まで1W程の妊婦さんがありました。
その後、残念ながら死産になってしまったのですが、その際にこのフソバクテリウムが胎内からひどく検出されたとのこと。
体調不良によって、この菌が体内に周り、胎内で広がってしまったことが原因だろうと思われています。
またこの菌は食道癌の進行や予後に関係していたり、また、大腸癌や大腸潰瘍の原因の可能性も示唆されています。
この場合には口腔内から飲み込む時に入り込んだものもあるでしょう。
ブラッシング時、出血するような状態の時には、歯肉の表面が弱わっており、
すぐに傷がついて出血をしてきます。
逆にそのできた傷から様々な菌が入り込み、全身に回ることが起こります。
なるべくよく汚れを取り、また歯科にかかり定期的に綺麗にすることで、少しずつでも治っていくことが多くなります。
もちろん、現状維持が限界、どう考えても残すことが難しい、と言った状態のこともあります。
私は、まず、口腔内を綺麗に整え、出血のない状態を作ることが大切だと考えております。
家庭での、プラークコントロールがとても大切ですが、最初から正しく汚れが取れている方はとても少なく感じます。
それに、歯科医院での歯石除去や口腔清掃の両輪が必要だと考えています。
痛みがない時でも実は歯周病が強くなっていることはよくあります。
歯ブラシの時に毎回出血するような方は、注意が必要です。
時折歯科で、歯石の除去や汚れが家庭でしっかりと取れ、丈夫な歯茎なのか、チェックをすることをお勧めします。
何事もなく、無事に食べられること、
そして汚れを取ることで全身の健康に寄与できるのでしたら、
私どもの一番嬉しいことです。
2021年10月20日 21:50